川和台の住宅街にひっそりと佇むフリーライブラリー「はちのじぶんこ」。箱の中の本を自由に借りたり、誰かとシェアしたい本を寄贈したりすることができる。住民の黒沼宣子さんが設置したこの小さな図書館を通じ、本が人と人の間を8の字に巡る地域の新たなコミュニティが育ちつつある。
「私が提供するのはきっかけと場所と箱。ここが存在しているのは沢山の方が使ってくれるからこそ」と黒沼さん。
6年前に川和台に移住し、本の補修ボランティアやブックカフェの運営に携わってきた。そんな中で出会ったのがアメリカ発祥のフリーライブラリー。立ち寄った人が手続きなく自由に借りたり返したり、時には誰かに読んでほしい本を寄付したりと、直接の触れ合いがなくても、本を通して人の存在を感じられるその仕組みに惹かれ、2021年に自宅前に同文庫を開設した。
「養本箱」と名付けた箱にはデザインはもちろん、雨風・紫外線対策など様々なこだわりが。今では本の9割が地域住民から寄付されたもので、絵本から小説まで様々なジャンルが並ぶ。幼児、中年層、高齢者と年代問わず利用があり、最近では感謝の気持ちが綴られた置手紙をもらうことも多いという。
「いつか区内全域に」
「フリーライブラリーが店舗や緑道、公園など区内全域に展開されること」を夢に、地域を巡ってその魅力を広めている黒沼さん。昨年は加賀原地域ケアプラザで「かぶとむし文庫」が開設。今後は障害福祉サービスの通所施設「カプカプ川和」での文庫開設も決まるなど、着実にフリーライブラリーの輪は広がっている。
黒沼さんは「運営側も利用者も自由で気楽であることが一番大切。その上でフリーライブラリーという場所が、皆が本でつながる拠点になれば」と話した。
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