民間のNPO法人が中学校と企業の間に入り、職場体験をコーディネートする横浜市内でも珍しい試みが茅ケ崎中学校(高山俊哉校長)で行われた。11月29日に実施され、同校2年生約300人が都筑区内の96の企業・団体で職場体験を行った。
受け入れ企業3倍超
昨年まで職場体験に関わる各企業・団体への協力要請や事務連絡などは全て同校の教職員が行っていた。しかし、各企業・団体によって申請書類が異なっていたり、受け入れの時間が違っていたりと準備に時間がかかっていた。通常業務に加えて作業するため、担当する教職員の負担は非常に大きかったという。コロナ禍を経て、昨年から職場体験を再開したが、「関係が途切れてしまった企業も多く、受け入れ先を探すのも大変だった」と担当者の菅原顕徳教諭は振り返る。
そこで今年度は、職業講話や職場見学のコーディネートを行うNPO法人アスリードに職場体験の業務を委託。教職員の負担軽減や受け入れ企業の増加を目指した。
例年、受け入れ企業・団体は30未満だったが、今年はその3倍を超える96の企業・団体が受け入れ。また、飲食や教育、不動産、服飾など多岐にわたる業種に職場体験ができるようになり、生徒が希望する職種とのマッチングがしやすかったという。
実施には委託料が発生するため、学校は保護者に負担が生じることを事前に説明する場を設けるなどして理解を求めた。菅原教諭は「例年と比べて、大幅に業務負担が減った。今後も継続して行えるようにしたい」と話した。
企業知る機会に
今回初めて、職場体験の受け入れを行った区内に本社を構えるヒロセ電機=中川中央=の社員、塚原楓華さんは「一般の方には見えにくい事業内容なので、職場体験を通してどんな仕事をしているか知ってもらういい機会になった。今後も受け入れを続けたい」と話す。職業体験の内容は各受け入れ企業・団体が比較的自由に設定できるため、消費者と接点が少ない企業でも、事業内容を児童に伝えやすいメリットがあった。
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