佐江戸町の志田洋子さん(74)=関連に人物風土記=が、地域環境美化に関する功績が認められ、2024年度の環境大臣賞を受賞した。区内では唯一。寸劇を通して子どもらに分別の啓発を行っていることなどが評価された志田さんは「主婦の経験を話してきたことを認めてもらい、これまでの活動を評価されたのは素直に嬉しい」と喜んだ。
「5歳児」演じる
志田さんの住む佐江戸町の町内会は、横浜市で2003年に分別回収とごみ減量を推進する「横浜G30」がスタートするにあたり、モデル地区に指定された。当時、同町内会の副会長を務めていた志田さんは、行政職員らとともに手探りで分別収集に取り組んでいった。
当時の横浜市は「なんでも1つの袋に捨てればよかった」時代。「それを4つにも5つにも分けなければならず、高齢者には『難しい』と愚痴をこぼされた」と当時を振り返る。志田さんは資源局による説明会をしたり、アンケートを取ったりと積極的に啓発。地域住民からは「やってみれば難しいことはなかった」と理解してもらうまで分別を徹底させることができた。
また志田さんは自治会長らと相談し、幼稚園や保育園、小学校での出前講座で寸劇の上演を思い立った。「劇をこどもたちが観て、分別を体験してもらい、自宅で保護者に伝えてもらえれば」と「ミーオ劇団」を結成。自らお下げ髪を結わき、5歳児を演じた。コロナ禍前は毎年月に1〜2度、多い時には週3度も公演したこともあったという。体を張った活動で志田さんはいつしか「分別の母」と呼ばれるようになった。
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