都筑区内で日常的に発生している詐欺や盗難などの犯罪。日々の防犯活動や犯罪検挙に力を入れる都筑警察署の下山幸男署長に、現在の発生状況や対策などについて話を聞いた。
――今年の犯罪件数や傾向は?
「コロナウイルスが5類に移行した影響などで昨年は犯罪件数が増加しました。今年は空き巣は微減していますが、万引きや自転車盗などの身近な犯罪は減っておらず、全体の犯罪件数は高止まりしている状況です。最近の傾向として、詐欺の犯行手口の多様化が挙げられます。SNS型投資詐欺やロマンス詐欺など、若者をターゲットにした手口が流行し始めたことで、被害に遭う世代が広がっています。またSNSや求人サイト等を利用して実行犯を募る「匿名流動型犯罪グループ(トクリュウ)」による犯罪も増えています。
――どのような対策を行っているか?
「自転車盗には、駐輪場の自転車に盗難防止につながる言葉が書かれた防犯タグを付けて対策しています。詐欺については、被害者の幅が広がっていることから、世代を問わず街頭や学校などで啓発活動を行っているほか、金融機関と連携し、振り込み詐欺の未然防止に努めています。「トクリュウ」への加入防止には、子どもたちが犯罪に巻き込まれないよう、学校でチラシを配布したり、ホームルームでSNSの使用法などの指導を行っています。他にも、各課で起こった犯罪全ての背後に目を配り、主犯格や指示役がいないか捜査で見極めています」
――警察署長の役割とは?
「地域の人たちが安全に暮らすために、警察署員たちの旗振り役を担っています。また地域の人たちと良好な関係を築き、信頼を得ることも重要な役割です。今後も安心安全の輪を広げていきたいと思っています」
――都筑区民へメッセージを
「犯罪や事故が起きない地域にしていくためには、一人ひとりの防犯意識が重要です。家族や友人、ご近所さんなど、人との繋がりを大切にし、お互いに防犯意識を高め合う関係性を築いてください。我々警察署員も犯罪の検挙に力を入れるほか、日々の啓発活動などを通して、防犯意識向上の環境づくりを行っていきます。地域全体で安全な街づくりを行っていきましょう。最後に、『自転車には、必ず鍵をかけましょう!』」
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