2月11日にサンハートで開かれる「バレンタインコンサート」に出演するコントラバス奏者 杉本 正さん 市沢町在住 55歳
街に顔のみえる音楽を
○…7回目になる恒例のコンサートを間近に控える。今年はオペラ音楽「カルメン」を横浜弦楽五重奏団で奏でる。「ただ演奏するだけでなく、ストーリーやちょっとしたエピソードを交えながら進めていきます。半分おしゃべりみたいなものなので、気軽に聴きにきてほしいですね」。本物の音楽を誰にでも。敷居が高いと思われがちなオペラ音楽も杉本さんの手にかかれば、楽しい音楽になる。
○…プロのコントラバス奏者として活躍するが、地域での演奏活動も大事なフィールドワークの一つ。左近山連合自治会の行事として行われる演奏会も、15年前から継続している。というのも、地域の演奏会には大ホールで行うオーケストラとは違う魅力があるからだ。「大きな舞台だとお客さんも演奏者も顔が見えづらい。自治会の役員をやったりしている『普通のおじさん』って親しみを持ってほしいんです」。反応が直接返ってくる地域の演奏会は密かに抱えていたジレンマを解消してくれた。
○…クラシック好きの父親の影響も受けたが、その反動もあり中・高校時代はエレキベースに熱中。大学受験を前に音楽の道に進むことを決意し、今まで横に持っていた楽器を縦に変え、1年間必死にコントラバスを学んだ。音大入学後は、さらに弓の織りなす表現力に魅了され、技術を磨くように。現実的な音楽教諭という進路も考えたが、「演奏家」の決意は揺らがなかった。大学卒業の年、神奈川フィルハーモニー管弦楽団のオーディションに合格し、30年間在籍した。
○…娘の裕乃さんもバイオリニストで、今年7月にはサンハートで娘夫婦とのコンサートが企画されている。「娘も高校生の時から地域で演奏させてもらっていた。地域が音楽の発表の場となり、たくさんの音楽家が育ってくれるとうれしい」。気さくで親しみやすい人柄も、地域に音楽をすんなり溶け込ませている要因なのだろう。
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