4月1日からの改正健康増進法の全面施行を受け、横浜市内でも飲食店などで原則屋内禁煙が始まった。市は今年度、横浜駅など主要駅周辺の飲食店約6000店舗に確認調査を行い、受動喫煙防止の徹底に努めていく。
健康増進法の改正は、非喫煙者が喫煙者のたばこの煙を吸い込むことで及ぶ健康被害を無くすことを目的としたもの。昨年7月に学校、病院、公共施設などの敷地内が原則禁煙になり、今回の全面施行で飲食店・事務所・ホテルなどで原則屋内禁煙となった。これにより原則客席面積100平方メートルを超える飲食店は、禁煙か喫煙室の設置が罰則付きで義務付けられた。
全面施行を受け市は、巡回指導を行う職員を新たに配置した。市内にある飲食店は1万4000店以上。今年度は主要駅周辺で確認調査を行う予定だが、新型コロナウイルス拡大の影響で一時休止になっている。その一方で「すでに4月以降、違反が疑われる飲食店に関する通報が数件寄せられている」と市健康福祉局担当者は話す。市は違反施設には指導を行い、改善されない場合は罰則を科すなど対応する。
3月に相談件数急増
市は昨年7月から、独自に受動喫煙対策コールセンターを設置。事業者や市民の相談に応じてきた。開設初月31件だった相談件数は徐々に増加し、3月には1029件となった。相談の多くは「喫煙室の要件」や「喫煙可能の経過措置」に関して。「費用の掛かる喫煙室の設置などは難しく、期日が迫るにつれ対応の相談が増えた」と市担当者は話す。店内禁煙に踏み切った旭区の飲食店経営者は「今はコロナの影響が大きいので、客数減少の影響はまだわからない」としつつ、「禁煙は時代の流れ。これまで以上に家族連れのお客様にも安心してご来店いただければ」と話した。
小規模店には経過措置
今回の改正では、客席面積100平方メートル以下などの要件を満たす小規模の飲食店は、市へ届け出をすれば経過措置が認められる。市は現状、約3300件の届け出を受理している。一方、経過措置の期間が定められておらず、受動喫煙防止の効果を危惧する声もある。
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