横浜市では今年上半期中に障害者手帳をカード化※するため、1月15日に専用のコールセンターや郵送での受付窓口を開設する。市ではカード化により現状の手帳と比べて耐久性や携帯性の向上を期待している。
障害のある状態と認められた場合に交付される障害者手帳。身体障害者、療育(愛の手帳)、精神障害者保健福祉の3種があり、市内の所持者は合計約17万人(2019年度末時点)。提示することで自治体による支援や、事業者によるサービスなどを受けられる。
厚生労働省がカード化を認めたものの、全国的に始めた自治体はまだ少ない。その理由は国からの予算措置がなく、自治体持ちとなる費用面での課題が大きい。システム改修やカード作成などのコストは紙に比べて大きく、当事者からの要望があっても対応できない自治体も多いという。
その上で市が導入を決めたのは、市内の当事者団体から現状の手帳では長期間にわたる使用や雨の影響などで劣化しやすいことなどから、改善の要望があったことによる。「カードは財布などに入って携帯しやすい免許証サイズ。プラスチック製で耐久性も高まる」と市担当者。市の動きは神奈川県内でも先駆けで、1月15日に専用コールセンターや郵送受付窓口を開設し、今年上半期中に交付したい考えだ。
機能面に課題も
一方で機能面は現状と大差がなく、市内で暮らす内部障害者の一人は「持ち運びやすくなるかもしれないが、現状の手帳で不便はないからそのまま使うつもり」。また、聴覚障害者の一人は「同じ手帳を長年使い続けている人もおり、カード化を歓迎する声もある」としつつも、「単なるカードではなく、ICチップが入ってかざして使えるなど、機能性が高いとよかった」と語る。
市担当者は「従来の手帳も使い続けられるので、各自に合った形をお選びください。生活に支障がないように準備を進めたい」と話している。
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