神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
旭区版 公開:2023年3月2日 エリアトップへ

ウクライナ出身イオアン・チュマチェンコさん 戦禍逃れ漫画家目指す 旭区内に住み、一人奮闘

社会

公開:2023年3月2日

  • LINE
  • hatena
破壊されたワーニャさんの母校
破壊されたワーニャさんの母校

 ロシアによるウクライナ侵攻が始まり1年――。終結の兆しが見えない中、戦禍を逃れ、一人中尾で暮らすイオアン・チュマチェンコさん(17歳・愛称ワーニャ)。漫画家を目指し日々勉強に打ち込む。ワーニャさんは「夢だった日本への留学にこんなに早く来ることになるとは」と心境を語る。

 ワーニャさんはオデーサ市の北西にあるダーチネ村出身。アニメや漫画が好きで、13歳の頃から日本へ憧れ、いつかは「留学したい」と日本語を学んでいた。しかし、平穏な日々は昨年2月24日に一変。「本当に攻めてくるとは思っていなかった。多くの人がそう思っていたはず」とワーニャさんは話す。緊張が走った国内では、食料や生活用品が買い占められ不足。次第にオデーサ周辺には、ロシア軍によるミサイルが飛んでくるように。ダーチノエ村も例外でなく一日2回ほどサイレンが鳴り響くようになった。

実状と異なる理由で攻撃

 侵攻が始まるとウクライナ軍は、ロシアからの攻撃を逃れるため、学校などに臨時拠点を置いた。ダーチノエ村郊外にも軍事施設があり、ロシア軍はワーニャさんの母校が"臨時拠点になっている"として攻撃。「寝ていたら母に起こされて。飛んでいくミサイルの音を聞きながら、家に落ちないことだけを祈った。そうしたら聞いたことのない大きな爆発音が聞こえて」。町中の家屋の窓が割れ、水道管は破裂。翌日、友達と母校へ行くと校舎は爆破されていた。幸いにもこの攻撃で亡くなった人はおらず、ワーニャさん家族も無事だった。しかし、住民たちがウクライナ軍を学校近隣で見たことは一度もなく、"臨時拠点"はロシア軍によるデマだとされている。

和田さん夫妻が支えに

 ワーニャさんにも危険が迫る中、その身を案じたのは和田達朗さんとウクライナ人の妻シーマさん。和田さん夫妻は昨年3月まで、ダーチノエ村の近くに住んでいた。シーマさんはそこで日本語を教え、その時の生徒がワーニャさんだった。「妻から、漫画家を目指す男の子の話はよく聞いていて、どうにか日本に呼び寄せられないかと思っていた」と和田さん。支援の制度や学校を探し、8月にワーニャさんは来日。横浜市内の専門学校に通うため、中尾に家を借りた。

「話し相手がほしい」

 まずは学校の授業では日本語を学ぶワーニャさん。「漫画を勉強するため」と日々励む。そんなワーニャさんを支える和田さんは「彼と休日に一緒におでかけできる友達、漫画について語り合える仲間がいたら」と思いを話す。東京に住む和田さんがワーニャさんと会えるのは月に2回ほど。近隣住民にも支えてもらえないかとワーニャさんの友達や支援に協力してくれる人を募集しているという。ワーニャさんは「一人で住んでいると寂しく、話し相手がほしい」と話す。支援などに関心のある人は和田さん【メール】ukk.zo1617@gmail.comへ連絡を。

ワーニャさん(右)と和田さん
ワーニャさん(右)と和田さん

旭区・瀬谷区版のトップニュース最新6

日本選手権、24年ぶり3位

瀬谷シニア

日本選手権、24年ぶり3位

粘り強く接戦制す

9月19日

災害時給水所の確認を

災害時給水所の確認を

市、断水時の対策強化

9月19日

10月からプラ分別変更

旭・瀬谷両区

10月からプラ分別変更

地球温暖化防止が目的

9月12日

無電柱化が難航

災害時の第1次緊急輸送路

無電柱化が難航

計画策定時と同程度に

9月12日

例大祭5年ぶりに復活

瀬谷区熊野神社

例大祭5年ぶりに復活

19日 湯立神楽も

9月5日

20年越しの「世界一」

フットバッグ石田さん(旭区)

20年越しの「世界一」

芸術性や技術競う部門で

9月5日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 9月19日0:00更新

  • 8月29日0:00更新

  • 7月25日0:00更新

旭区・瀬谷区版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

コラム一覧へ

旭区・瀬谷区版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年9月23日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook