ネムノキ 文:山村卓也(瀬谷環境ネット)写真:中村多加夫(同) 瀬谷の生き物だより173
梅雨のこの時季、人家の広い庭や和泉川沿いにも何本かのネムノキの花を見る事ができる。
松尾芭蕉が「象潟や 雨に西施が ねぶの花」と絶世の美女にたとえたように、ネムの花は大変美しい。6、7月に、薄紅色の刷毛のような花は、実は花弁ではなく長い雄蘂(おしべ)の集まりである。白色からピンク色へとグラデーションがかかり、先端には黄色い葯がつく。
ネムノキ(合歓木)はマメ科ネムノキ属の落葉中高木で、日本全国に分布する。葉は2回偶数羽状複葉で、15〜30対の小葉は夜間閉じて、葉全体が眠るように垂れ下がる。葉からの水分の蒸散を防ぐための就眠運動と云われ、ネムノキの語源となっている。
秋に10cmほどのマメの鞘ができ、中には黒い種が7〜10粒入っている。良く発芽するが、ネムノキは成長が早く、高木になるので育てるには注意が必要である。
「ねんねの ねむの木 眠りの木」と歌い出す「ねむの木の子守唄」は美智子上皇后が高校時代に作詞したもので、ゆっくりとした優しい歌は女性に大変人気が高い。
ネムノキの優雅な花には良香もあるので、夕暮れに観賞するのが一番相応しいであろう。
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