アオバト 文:清水道夫(瀬谷環境ネット)写真:今野紀昭(同) 瀬谷の生き物だより174
瀬谷市民の森で稀にアオバト(緑鳩)を見ることがある。本種は全国の低地から山地の常緑広葉樹林の茂みに生息する留鳥又は漂鳥で、開けた場所に出ることは少ない。
体長は33cmとドバトとほぼ同大、体色は全体に黄緑色で背中が緑灰色、腹部は白く脇から尾にかけて黒緑色の縦斑があり、嘴は青色で先端部分に赤味がある。雄は羽の付け根の部分がブドウ色をして美しい。繁殖期に雄は「オーアーオー、ワーオー」とやや間延びした気味悪い声を発する。
樹上で木の実や新芽等を食べ、塩分不足を補う為海岸に出て海水を飲んだり山中で塩分を含む温泉水を飲むこともある。
県内では、大磯の照ヶ崎海岸のアオバトが良く知られており、バーダーには人気の場所である。初夏から秋にかけて、丹沢の山奥より数羽から数十羽の群れをなして大磯に飛来、波の合間を縫って、照ヶ崎海岸の岩礁に舞い降り海水を飲む姿が間近に見られる。よく見ていると、運悪く波を被って落鳥することもある。アオバトにとって塩分の補給は命がけなのである。
夏休み、湘南方面へ出かけた際、照ヶ崎へ足を伸ばしてみては如何。
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