神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
旭区・瀬谷区版 公開:2024年8月31日 エリアトップへ

御朱印探訪【1】 横浜最古の寺 南区 弘明寺 記者の参拝レポート

公開:2024年8月31日

  • X
  • LINE
  • hatena

 御朱印(ごしゅいん)とは、神社や寺を参拝した証として押印される印章印影のこと。参拝の記録として集める人も少なくない中、タウンニュース記者が横浜市内の寺社で入手できる御朱印を紹介する「御朱印探訪」。第1回目は横浜最古の寺として知られる南区の弘明寺(ぐみょうじ)を訪れた。

本堂の床板も1000年級の歴史

 京急線の弘明寺駅から徒歩2分、市営地下鉄ブルーラインの弘明寺駅からは商店街を通って約5分。弘明寺には2つの門があり、京急側からは楓関門(ふうかんもん)、ブルーライン側からは市指定有形文化財の仁王門(におうもん)が近い。

 御朱印は参拝の証のため、まずは本堂にお参りを。1044年(寛徳元年)に光慧上人が建立、開山したもので、現在の本堂は、1766年(明和3年)に智光上人によって再建されたもの。拝観料500円を納めて中へと進むと、重厚な雰囲気に圧倒されている。すると、通りかかった僧侶と思しき人から、「床も1000年前のものですよ」と声を掛けられた。調べると、光慧上人が建立した際の古材が床板に使われていた。自分の足元にそんな歴史を経たものがあるとは...と若干ひるむ。

国宝の本尊は十一面観音像

 奥へ進むと本尊である十一面観世音菩薩立像が姿を現す。平安時代中期の作で1915(大正4)年に国宝、1950(昭和25)年に国の重要文化財に指定されている。像高181・7cm、ハルニレの1本の木から丸ノミで観音像を彫り出したもので、表面にその彫り痕が見て取れる。

 「一刀三礼で、三日三晩かかったそうです」と教えてくれたのは、弘明寺の執事長、山下

実明(じつみょう)さん。一刀三礼とは、ノミを一回入れる度に三回礼拝したという意味で、737(天平9)年にこの地を訪れた行基が流行していた疫病を鎮めるために彫ったとされる。山下さんによると「観音様の開眼作法から1週間のうちに、疫病が去った」という。

月替わりを含め、御朱印は13種類

 弘明寺で授与される御朱印は全部で13種類。御朱印には御朱印帳に直接書いてもらう「直書き」と、あらかじめ御朱印を書いた状態の和紙を授与される「書き置き」の2パターンがあるが、弘明寺では基本的に書き置きで、唯一、本尊の十一面観音の御朱印が直書きで授与されている。絵柄が月ごとに変更される特別御朱印もあり、季節を感じられる絵は「住職の奥様が描いているんですよ」と山下さん。

 また、弘明寺の場合、本尊以外に大日如来、不動明王、身代わり地蔵などが本堂以外にも点在していて、それぞれの御朱印が用意されている。お参りをしないまま御朱印をいただくことのないよう、境内をゆっくり回る時間を確保しておこう。

パワースポット、七ツ石も必見

 山下さんは「七ツ石はぜひ見ていただきたいですね」と話す。奈良時代、インドから渡来した善無畏(ぜんむい)法師が山の上に紫雲がたなびく様子を見て、「将来、この地に観音が訪れるだろう」と予見し、七つの石で囲んで結界を立て、弘明寺一帯を霊域としたと伝わっている。現在、点在していた石は本堂近くに集められ、自由に見ることができる。

 毎月8が付く日には、病気平癒や心願成就などを願う「本尊十一面観音様ご縁日」を、3が付く日は、縁結びや子宝を願う「大聖歓喜天様ご縁日」が行われ、境内がにぎわう。

■南区弘明寺町267

【電話】045・711・1231

▽参拝時間午前8時から午後5時(境内自由。御朱印授与は午前8時15分から午後4時45分)

▽本堂拝観500円、御朱印授与1枚500円

執事長の山下実明さん
執事長の山下実明さん
大慈大悲、感応速疾の本尊 十一面観音(観音堂正面中央)の御朱印
大慈大悲、感応速疾の本尊 十一面観音(観音堂正面中央)の御朱印
東国八十八カ所六十番、生命本源の大日如来(堂内入って右手)の御朱印
東国八十八カ所六十番、生命本源の大日如来(堂内入って右手)の御朱印
武相二十八不動十八番、決断の力授与、障難消滅の不動明王(堂内内々陣左側)の御朱印
武相二十八不動十八番、決断の力授与、障難消滅の不動明王(堂内内々陣左側)の御朱印
抜苦与楽、六道能化の身代わり地蔵(正面階段中程左手)の御朱印
抜苦与楽、六道能化の身代わり地蔵(正面階段中程左手)の御朱印

旭区・瀬谷区版のコラム最新6

女優・五大路子さん「横浜は宝の宝庫、もっと掘り下げたい」

横浜「注目の人」インタビュー

女優・五大路子さん「横浜は宝の宝庫、もっと掘り下げたい」

舞台生活50周年、横浜夢座25周年

9月13日

横浜最古の寺 南区 弘明寺

御朱印探訪【1】

横浜最古の寺 南区 弘明寺

記者の参拝レポート

8月31日

瀬谷の生き物だより175

マツヨイグサ 文:山村卓也(瀬谷環境ネット)写真:中村多加夫(同)

瀬谷の生き物だより175

8月15日

瀬谷の生き物だより174

アオバト 文:清水道夫(瀬谷環境ネット)写真:今野紀昭(同)

瀬谷の生き物だより174

7月18日

瀬谷の生き物だより173

ネムノキ 文:山村卓也(瀬谷環境ネット)写真:中村多加夫(同)

瀬谷の生き物だより173

6月20日

瀬谷の生き物だより172

サンコウチョウ 文:今野紀昭(瀬谷環境ネット)写真:中村多加夫(同)

瀬谷の生き物だより172

5月16日

横浜相原病院

9月18日と25日(各日10~13時)に復職支援研修を開催。参加者を募集中です。

http://www.yokohama-aihara.jp/

<PR>

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 8月29日0:00更新

  • 7月25日0:00更新

  • 7月4日0:00更新

旭区・瀬谷区版のあっとほーむデスク一覧へ

コラム一覧へ

旭区・瀬谷区版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年9月14日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook