タウンニュース旭区・瀬谷区編集室では瀬谷警察署と防犯・交通安全特集を企画するにあたり、吉田明弘警察署長にインタビューを実施。県内や瀬谷区内で発生する最新の特殊詐欺の手口や交通事故の発生状況、犯罪や事故から身を守る術や、同警察署の取り組み内容について話を聞いた。
投資・ロマンス詐欺発生
-2022年から今年まで県内や瀬谷区内で発生した特殊詐欺の件数を教えてください。
「23年に県内で発生した特殊詐欺の認知件数は、確定値で2025件。一昨年前の件数と比べると、65件減少でしたが、被害額は約46億900万円と、約2億2400万円増加しました。今年は8月31日までで、暫定値で1171件。去年の同時期と比べて169件少なくなっています。区内で昨年発生した特殊詐欺の認知件数は確定値で54件。一昨年前の件数と比べると12件増加。被害額は28%増の約8200万円となりました。一方で、今年8月31日までの認知件数は暫定値で15件。昨年の同時期と比べると29件減少し、被害額も約800万円となっています」
-警察で実施している詐欺対策や、騙されない方法を教えてください。
「振り込みや電子マネーの購入にはコンビニが使われることが多いため、交番の勤務員ごとに担当の施設を決め、頻繁に立ち寄って最新の手口を店員に伝える『担当コンビニ制度』を運用しています。また、町内会の会合や各機関に赴いて犯罪情報を話す『防犯講話』、特殊詐欺を阻止した方への表彰や、区内団体と協力した広報などに取り組んでいます。その結果、特殊詐欺を防止できた件数もすでに昨年を超えています。区民の皆さんには、『電話でお金の話が出たらそれは詐欺』だと認識していただきたいです。年末に向けて増加する傾向にあるので、自身で判断せず、家族に相談するか、警察に通報してください」
-最近の手口について教えてください。
「最近頻発してきているのが、『SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺』です。メールやソーシャルアプリなどネット環境を通した詐欺です。投資詐欺は著名人などを騙り、相手を信用させて金銭を騙し取る手口。ロマンス詐欺は交流を持った相手に親近感や恋愛感情を抱かせ、交際継続などさまざまな理由をつけて金銭を騙し取る手口です。どちらも、ネットに通じた中高年や比較的若い世代の方が騙される傾向にあるのが特徴です。顔も知らない人と連絡を取る時は、気をつけてください」
自転車盗が減少
-瀬谷区内で発生した犯罪状況について教えてください。
「区内で発生した刑法犯の認知件数は今年の8月31日までに暫定値で336件。去年の同時期に比べて54件減少。特に、昨年多く発生した自転車盗は42件減少しています。警察署では駐輪場で利用者への防犯指導を実施しています。スーパーやコンビニなど、短時間目を離すだけでも盗まれてしまうことがあります。カギを二重にかけるダブルロックなど活用してもらいたいです」
今年の死亡事故は0に
-交通事故の発生状況を教えてください。
「昨年区内で発生した交通事故は確定値で307件。361人が怪我をされ、4人の方が亡くなりました。今年に入ってから8月31日までの交通事故は暫定値で177件。怪我をされた人は213人で去年の同時期と比べても減少しており、死亡事故は0件です」
-気をつける点はありますでしょうか。
「歩行者の方は、道路を渡る際に横断歩道や歩道橋を渡るようにしてください。そして、危険な乱横断は絶対にやめましょう。また、夜間は明るい服を着るようにし、反射材の着用などで自身の存在をドライバーにアピールしましょう。ドライバーの皆さんも、これから早く日が暮れるので、ライトを早めに点灯し注意してください。また、『飲酒運転は絶対にしない、させない』という意識をもって危険運転を根絶していきましょう」
-キャンペーンなどの実施予定はありますか。
「9月21日から30日までは秋の全国交通安全運動期間中です。スローガンは『挙げる手をやさしく見守る横断歩道』。9月24日(火)には、瀬谷駅北口広場でキャンペーンを実施。皆さんに交通安全や、交通ルール遵守について考える機会にしていただければと思います」
区民の皆さまへ
-区民に伝えたいことはありますか。
「治安維持は警察の仕事ですが、地域住民や企業、行政などと連携することで実現できると考えています。瀬谷区の皆さんは地元愛が強く、地域を守ろうと考える方が大勢いらっしゃいます。今後も多くの方々と連携し、防犯や交通安全を呼びかけていきたいと思います」
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