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旭区の単位自治会である中希望が丘富士見会(若狭偉男刀(ひろみつ)会長)が9月23日、中区の結婚式場であるアニヴェルセルみなとみらい横浜で「富士見オータムフェス」を行った。模擬結婚式やフルコース料理の提供などを盛り込んだ同イベントを催した狙いは、入会促進による新たな地域コミュニティの形成だ。
会員減少が課題
現在650世帯が加入している中希望が丘富士見会。しかし組織率は50%を割り、会員数減少が課題となっている。
同会の岩切衣代副会長は「会費分のメリットを享受できないと感じる人が多くなっている」と要因を分析する。同会では夏祭りなどのイベント開催のほか、災害時の安否確認体制の強化に取り組んでいるが、非会員でもサービスを享受できることから入会にはつながっていないという。
役員の負担重く
加えて会員数減少の要因として挙げられるのが、自治会役員の重い負担だ。イベント時は、準備や運営、撤去に労力を使うことになり、役員自身は存分に楽しむことが難しいという。若狭会長は「入会していても、役員が回ってくると負担が増えると考えて脱会する人もいる」と語る。
「自治会消滅の危機」を脱するべく同会では、会員に非日常を提供し、入会したメリットがあったと感じてもらえるイベントを考案することに。
普段入れない場所の使用を模索している中、会長の知り合いにアニヴェルセルの運営会社社員がいたことから、式場でのイベント開催を打診。同社側に「地域に開かれた式場にしたい」という思いがあり、今回のイベントが実現した。運営、進行は式場が担当し、役員の負担も減らすことが可能になった。
顔見知りになって
当日は会員約100人が参加。模擬結婚式体験に始まり、バルーンリリース、フランス料理のフルコースなどを楽しんだ。若狭会長は「今日を機に参加者同士で顔見知りになってもらい、顔の見える自治会にしたい」と参加者に呼びかけた。
家族、同い年の友人と参加した14歳の女性は「テーブルマナーに興味があった。結婚式は初めて体験し、学ぶことも多かった。夏祭りには今まで行っていたが、このようなイベントがあるのは驚きだった」と話した。参加費は大人1万円だが、参加者たちは満足した様子だった。
同自治会では、今後も役員の負担を軽減し、非日常を提供するイベント開催を模索していくという。「公的機関の施設の裏側見学など、体験型のイベントを色々考えているところ」と若狭会長は先を見据える。
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