オオカマキリ文:山村卓也(瀬谷環境ネット)写真:中村多加夫(同) 瀬谷の生き物だより177
オオカマキリは、カマキリ目カマキリ科の昆虫で、体長8〜10cmと本州では最大のカマキリである。前脚の付け根が黄色いことや、後翅の大部分が紫褐色という点で、一回り小さなチョウセンカマキリと見分けられる。
カマキリ類の複眼は大きく、360度見渡し、対象物の大きさや距離を立体的に認識できる。花を訪れるチョウやハチなどの昆虫を待ち伏せて、瞬時に捕らえてしまう。時にヘビやカエル、稀に小鳥まで捕獲する事がある。交尾の為に接近するオスをメスが捕食してしまうのも、昔から有名な話である。
カマキリの腹部には、高い確率でハリガネムシが寄生している。ハリガネムシは、自らの子孫を残すため、カマキリの行動を支配して水辺に誘導してしまう。最強と言われるカマキリもこれには為す術もないのだろう。
オオカマキリは、10月頃に笹や樹木の細い枝などに、5cm位の釣鐘を斜めに切った型の卵鞘を作る。スポンジ状の卵鞘は防寒防乾にすぐれ、200個(粒)程の卵を来春まで安全に保護することができる。
この時期に市民の森や、狢窪公園の笹や低木を探せば、産卵中のメスに出会えるチャンスもあるだろう。
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