早期の暑熱対策を促す「体温を見える化するシール」(仮称)の社会実証が10月1日、旭区の今宿南小学校(佐々木一高(いっこう)校長)で行われた。(株)ファンケル=横浜市中区=などによる試みで、3年生の児童が腕に同シールを貼り付けて校外学習に取り組んだ。
社会実証は化粧品やサプリメントを手がけるファンケルと、印刷大手のTOPPANホールディングスのグループ会社・TOPPAN(株)=東京都=が進めている。夏の暑い日などの熱中症が社会課題になっているなか、教育現場でも年間5000件ほどの熱中症が発生しており、両社は同シールを活用することで暑熱対策を進めていきたい考えだ。
ファンケルの体温を見える化する研究技術と、TOPPANのフィルム製膜技術を用いている同シール。体温上昇によって青色から赤みを帯びていく仕様で、これまでに感覚的だった体温の変化を客観的に確認できる。また、伸縮性があるため運動時にも貼り付けやすいという。
色が変わり注意喚起
3年生の児童はこの日、両社のスタッフが見守るなか、シールを肘の近くに貼り付け。校外学習の一環で学校から30分ほどかけて鶴ケ峰駅まで歩き、電車でニュースパーク=中区=などに向かった。学校で付けた時に青色だったシールが、駅まで歩く途中で赤みがかった色になり、児童の一人は「(体温で)色が変わるから分かりやすいです。自然な感じで貼れました」と話していた。
ファンケルの担当者は1日の社会実証について、「体温の可視化でリスクを早期発見をするというサービスのコンセプトを、教員の方々に共感してもらえました」と手ごたえを話す。両社は2025年度中の発売を目指している。
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