10月26日・27日の瀬谷区文化祭にガラス工芸作品を出品した 沢 逸郎さん 瀬谷区橋戸在住 75歳
試行錯誤を楽しむ
○…昨年に続き、2度目となる瀬谷区文化祭への出品。ガラス表面でさまざまな模様をカットする江戸切子の技法や、特殊塗料で絵画のように仕上げる彩色エッチングを用いた大皿やグラスなど約50点を展示した。「多くの人がガラス工芸に関心を持つきっかけになれば」と期待を寄せる。
○…生まれは鶴見区。小さい頃からモノ作りが好きで、30代で切り絵を、50代でガラス工芸を始めた。それぞれ異なるジャンルながら互いに生かせる要素もあるそう。創作においては、創意工夫することが何よりの醍醐味。50代の頃には、5〜6年の試行錯誤を経て「3D切り絵」を考案。レーザーカットした厚紙を2枚貼り合わせて、色付けすることで、立体感を出すことに成功した。「紙1枚ののっぺりした感じを、どうにかしたくてね。考えたり、解決方法を模索している時間が楽しい」
○…中学校の理科の教員として40年近く働き、校長も務めた。大学の頃に少林寺拳法を習い、教員時代はバスケ部の顧問兼監督を務めるなど体育会系な一面も。家族は妻と2人の娘。小学生の孫もおり、「関心を持ってくれたら、切り絵などを教えたいね」と話す。
○…地域の文化祭にも出品し、12月には瀬谷区民文化センターあじさいプラザで展覧会を開くなど多忙な日々を送る。「こんなにイベントが重なるとは。準備に追われています」と困った表情ながらも充実した様子。創作活動に加え、仕事を辞めてからは地域貢献もテーマの一つだという。教員として地域連携を進めていた一方、個人では接点が少なかったため、退職後に公共施設の講座や学校の授業でガラス工芸や切り絵の講師を務めてきた。「少しでも、地元のお役に立てれば嬉しい」と目を細める。
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