ムクロジ文:中村多加夫(瀬谷環境ネット)写真:同 瀬谷の生き物だより180
お正月の遊びである「羽根つき」に使う羽根の玉には、ムクロジの硬くて丸い種が使われている。
ムクロジはムクロジ科の落葉高木で、日本、中国、東南アジアなどに自生している。葉は互生、長さ30〜70cmほどの偶数羽状複葉を持ち、秋に黄色く紅葉する。6月ごろ枝先に淡緑色の花を多数つけ、秋には直径2cmほどの丸い果実を実らせる。この果実は熟すと半透明のあめ色になる。果実の中には直径10mmほどの黒くて丸い種が入っている。
この種は適度な重さがあり、羽根つきの玉として最適なものであった。また、美しい光沢があるため、お守りや数珠の材料、装飾品として、更に果皮にサポニンを含むので石鹸の代用としても利用された。
ムクロジという名前は、「無患子」と書き、「患い(病)が無い子」という意味がある。この名前は、ムクロジの果実が魔除けや厄除けとして使われていたことに由来している。
ムクロジの木は、瀬谷区二ツ橋にある最勝寺の鐘つき堂の横に有るので、花の咲く時期に、葉が茂っている姿や花を見に行ってみては如何か。
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