農業を営む「横浜ワタヤファーム」の代表を務める 小川名(おがわな) 駿さん 旭区下川井町在住 27歳
横浜の農業に新風を
○…400年以上続く農家の14代目として、昨年3月に代表を任された若手経営者。2人の姉がおり、家業は長男の自分が受け継ぐと決まっていたそうだが、「決まった仕事が多いと最初は思っており、嫌だった」。それでも大学などで農業を勉強し、裁量が大きいことに気づいた。「良くも悪くも自由なんです」
○…これまで行ってきたキャベツなどの露地野菜の栽培と並行し、横浜では珍しいというマンゴーなどの熱帯果樹の育成に注力。きっかけは「一人旅」だった。3年ほど前に、現場の声を聞くために、一人で九州の農家を何軒も訪問。その中で宮崎県にある一軒のマンゴー農家に出会った。「マンゴーは好きじゃなかったが、食べてみてその美味しさに驚いた。嫌いな人にも食べてもらいたいと思った」。その縁もあり、同農家に就職してマンゴーの栽培を勉強し、「横浜で栽培しているケースは少ない。地元で育ててみたい」と挑戦を決意した。
○…小学2年で野球を始め、横浜隼人中学・高等学校では軟式の野球部に所属。大学では一転、元プロも所属する硬式野球の社会人クラブに飛び込んだ。「軟式からの転向は難しいが、やってみないとわからないという気持ちで始めた」。次第に試合出場も増え、自信になった。大学生の時には他に、友人と車で日本一周。「土地ごとの方言や料理など、知らない世界が日本にもあると実感し、一人でも旅行したいと思った」
○…今後は地域の人などに向けた収穫体験の実施も見据える。「将来のために、横浜の農業を無くしてはならない。小さな農家だが、自分なりにできることに挑戦したい」。今は農業に注力し、休みはほぼ無しだ。「余裕ができたらまた旅行したいなあ」と笑う。
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