心の病を抱えた人を支援し、設立30周年を迎えたNPO法人木々の会の理事長を務める 川田 剛(たけし)さん 旭区鶴ヶ峰在勤 68歳
その”溝”を埋めていく
○…精神障害者の居場所作りや、グループホームを運営する「木々の会」の3代目理事長を務める。30年前の法人立ち上げから関わり、障害者に対する偏見という”溝”を埋めるべく尽力してきた。「当法人のスローガンは”地域とともに”。利用者が家族だけではなく、住民とも関わることで、障害への理解を広めようと活動してきました」と、これまでを振り返る。
○…埼玉県出身。両親と脳性麻痺のある妹の4人家族で育った。「妹とは生活のリズムが違うし学校も別。どこか距離があるように感じていました」。大学では理工学を学んでいたが、身体障害者のドキュメンタリー映画を視聴したことが人生の岐路に。「懸命に生きる人々の姿を見て妹のことを改めて思い出し、障害者のために何かできないかと考えました」。深く知ろうと、障害者を支援するレクリエーション団体に参加。知識を得て行く中で福祉の仕事に携わろうと決め、同じ大学の医学部保健学科へと学部を変えた。
○…昔から楽器が好きで、これまではギターや太鼓などに挑戦。最近では、ウクレレを習い始め、法人の音楽サークルにも所属している。「理事長になってから、利用者と交流できなかったので、音楽を通じて機会を持てて嬉しい」と笑顔を見せる。
○…障害者を支援する仕組みはかつてに比べ格段に整った。一方、当事者は「サービスを受ける側・対象者」として見られることで、自尊心を無くしたり、生きる意味を見出しづらくなったりしているとも。「どうやって生きていくかのか。その答えを追うことが豊かな人生につながると思うんです」。施設での活動を通じて、利用者が”自分の生きる目的”を見つけて欲しいと切に願う。
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