意見広告・議会報告
不登校やいじめ対策を強化する部署を新設 市政報告【10】 当事者目線の多様な支援を 横浜市会議員 増永あやこ
私は議員となる前、小学校教員として3年間現場に従事した経験があります。その経験から不登校やいじめ、学校でのお困りごとをご相談いただくことが大変多くなりました。時には当事者のお子さんに足を運んでいただき、今考えていることや、要望をお話しいただくこともあります。
日々児童と向き合われる先生方の努力と熱意には、深い敬意を表したいと思います。その上で、子ども達からの意見や訴えは、私自身勉強させられることが多くあります。時には、保護者や教師から聞いていたことと乖離していることもありますから、やはり当事者の目線を忘れてはいけないと気づかされます。
昨今の横浜市をはじめ多くの自治体の教育施策では、当事者である子どもの声が十分に反映されていないように感じます。不登校は学業、友人関係、家庭環境等、様々な要因があります。それぞれの事情に応じた丁寧な支援が求められます。
先日、不登校を選択し、学校外で学ぶ子どもの育ちを支えるNPO法人多様な学びプロジェクトの代表・生駒知里さんのお話を伺う機会がありました。心が痛む統計データですが、ある調査によると、若くして自死された方々の7〜8割が中学等で不登校を経験されており、さらに不登校経験者で自死を選択された方々のほぼ全員が、不登校から学校へ復帰しているそうです。周囲の意向に応え頑張って登校した代わりに、自らの命を縮めた可能性があるという興味深いデータです。
「不登校は命の浮き輪になっているかもしれない」。そのような視点で不登校を見つめ直すと、今求められている取り組みが見えてくるように思います。学校復帰も、オルタナティブな学びの場の選択も、すべては子どもたちの健やかな成長のために等しく重要な選択肢となり得るのです。
横浜市教育委員会では令和7年度から、不登校やいじめ対策を強化するために、専門部署「不登校支援・いじめ対策部」を新たに設置することが決まっています。この部署には学校現場の声、保護者の声、そして何より子どもたちの声に真摯に耳を傾け、多様な支援の形を実現していただきたいと期待しています。
横浜市会議員として、この専門部署が効果的に機能し、子ども達の困り感を解消できる場所になるよう、建設的な提案を続けていきます。
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