松沢知事、新年の取り組みを語る 「神奈川力」向上に力尽くす 新春インタビュー
2011年の年頭にあたり、本紙では松沢成文神奈川県知事に単独インタビューを行った。松沢知事は「受動喫煙防止条例」が施行され「子ども手当」をめぐり国に異議申し立てを行った昨年1年を振り返るとともに、2期目の任期最終年にあたる今年の重点的取り組みなどについて、その思いを語った。
−昨年は神奈川県にとってどんな年だったでしょう。
松沢−まず、「受動喫煙防止条例」スタートの年でした。事業者の皆さんにも概ねご協力いただき、県民の皆さんにもこの条例が徐々に広がりつつあると思っています。神奈川県が作った先進的なルールですので、これを広め、国の姿勢も変えていきたいなと思っています。
それから、もう一つは「子ども手当」です。この問題をめぐっては、昨年12月に総務大臣に面会し、意見書を提出しました。国が進める「子ども手当」は地方に負担を強いるものですが、当事者たる地方は制度設計に関与していません。地方は国の奴隷ではありません。地方分権という観点からも、こうした状況に異議を申し立てたわけです。
もし、来年度の「子ども手当」に地方負担が導入された場合、神奈川県は「子ども手当」への県の負担を拒否し、「米百俵」の精神で独自の「子育て支援 神奈川方式」を進めることとしています。これは、保育所や小中学校の施設整備、あるいはワクチン接種への支援といった、バラマキではない本当の意味での「子育てと教育に対する投資」にお金を使おうというものです。
−財政状況は厳しく、850億円程度の財源不足の下で来年度予算編成が強いられています。
松沢−ここは「入るを量りて、出ずるを制す」と、徹底した行政改革を更に進め、財源を確保する努力を引き続き進めることだと思います。
骨格予算、子育て等に重点
−2期目の任期が終わるということで、いわゆる「骨格予算」になります。
松沢−どなたが4月以降新しい知事になるのかわかりませんので、政策的に使える予算は残します。ただ、骨格もかなりのところは組んでおきたいと思っています。「子ども手当」に地方負担が導入された場合には、先ほどの「子育て支援」施策などの予算はきちんと盛り込みたいと思います。
−ほかに、どんなところに重点的予算配分を?
松沢−やはり経済対策でしょうか。中小企業は未だ厳しい状況ですので、「中小企業制度融資」による金融支援を緩めることなく実施します。また、県独自の施策として、法人県民税・事業税の超過課税分を経済効果の高い道路ネットワークの整備費用に活用します。これにより、建設業などの倒産防止や雇用の確保も目指します。
−最後に、県民のみなさんへ新春のメッセージを。
松沢−私は日ごろから「神奈川力」という言葉をよく使います。「神奈川力」は「先進力」と「協働力」です。
経済は大変厳しいけれど、この「先進力」と「協働力」で、「神奈川に住んでいて良かった」「神奈川は活力が出てきたね」と言っていただけるように、残りの任期はわずかですが、最後までしっかり取り組んでいきたいと思っています。
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