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旭区版 掲載号:2011年3月31日号 エリアトップへ

アイスホッケー現役選手で登山愛好家の経済・経営評論家 鈴木 国彦さん 中沢在住 80歳

掲載号:2011年3月31日号

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ずっと59歳、定年なき鉄人

 ○…「若い人たちに励ましといたわりを届けたい」。官公庁や民間企業、学校などあらゆる分野の講師実績は、約15年間で数百カ所に上る。国内外で仕事に奔走する傍ら、アイスホッケーではシニア(40歳以上)世界選手権・日本代表の現役選手という一面も。元五輪代表選手ら海外の実力者がひしめくシニア界で、時速200Kmのパットが飛び交う命懸けの競技に正対する。「世界と戦うには健康と体力」がモットーだ。

 ○…東京大学卒。日本経済新聞の記者を経て、同グループの総合人材サービス会社の顧問を務めた。現場では常に「人間関係がすべて」という教訓を肌で感じてきた。記者時代から親交のあったホンダ創業者・故本田宗一郎氏の言葉「ものづくりは人づくり」「言葉は人の心」が今も生き続ける。

 ○…宮城県仙台市で育ち、旧満州・鞍山へ移り住む。旧制中学校では上級生になぐられる毎日。「今じゃ考えられないけど、負けてたまるかって」。中3のとき開拓団に動員されたが、終戦で鞍山に引き上げ、2年後に帰国。「内戦状態の現地で日本人は有害者扱い。服も食料もなくて、肌着の裏にはシラミがいっぱいだった」。過酷な生活の中で芽生えたのが「俺たちが世界に誇る日本をつくっていくんだ」という信念だった。大学時代は「ドヤ街」で仕事を探し、学費を稼いだ。「水兵の食べ残しにありつける」と横浜港のアメリカ船に乗り込み、油まみれで働いた当時をそっと思い出す。

 ○…地元旭区では旭、鶴峰ロータリークラブに在籍歴も。現在、週1回のアイスホッケーの早朝練習に加え、多忙の合間を縫って登山を楽しむ。一昨年、3000m超の北アルプスで滑落し1カ月入院の大けがを負ったが、それでも「100歳を超えても数千m級の山に登る」と夢は壮大だ。年賀状の片隅には毎年「59(歳)の挑戦」と記し、生涯現役を宣言する。「青春とは心の持ち方。年を重ねただけで人は老いないから」
 

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