さちが丘小学校(中澤道則校長)で9月12日、パラリンピック競技のアスリートによる講演会と体験会が行われた。「東京2020オリンピック・パラリンピック」への機運醸成に向けて、スポーツ庁が主催するオリパラ教育事業の一環。
同校はスポーツ庁が全国の自治体に委託する「オリンピック・パラリンピック・ムーブメント全国展開事業」に取り組む教育推進校の一つ。区内では若葉台特別支援学校も該当し、市全体では今年度、30の小・中・高校・特別支援校が選定されている。市では今年度、希望する教育推進校に対して、パラリンピック競技について「知る」「体験する」「考える」きっかけとなるメニューを作成し提供。今回のプログラムはその第一弾として実施された。
目隠しで行動
同校を訪れたのはパラリンピック男子正式種目となっている「5人制サッカー」のアスリート2人で、県内唯一のチーム「ブエンカンビオ横浜」でゴールキーパーの和地梨衣菜さんと、同チーム創設者で元日本代表主将の落合啓士さん。同競技は「ブラインドサッカー」と呼ばれ、視覚障害者4人とコート上で唯一の健常者であるゴールキーパーが一緒にプレーする。
前半ではパラアスリートたちを「支える人」として、和地さんが「障害がある人と一緒に生きる」というテーマで講演した。和地さんは5人制サッカーに興味を持ったきっかけや競技について動画で紹介。日常でも障害がある人と生活する機会が多いことから「ちょっとした声がけや自分にできることが支えになる。障害を特別なことと考えずに、一緒に支え合いながら可能性を広げてほしい」と児童たちに伝えた。
体験の冒頭では、落合さんと和地さんが競技を実演。和地さんの的確な指示と、落合さんの強いシュートに児童からは驚きの声が上がっていた。
その後はペアを組み、耳から得た情報だけで行動することを体験。アイマスクをしていない児童が、アイマスクをしている児童に落合さんのストレッチの動きを説明して真似るもので、児童たちは具体的に指示する難しさを実感している様子だった。グループに分かれてからは、全員が目隠しして手をつなぎ和地さんの指示で動く体験や、競技用ボールでパスの出し合いも行った。
終了後、児童の一人からは「サポートが難しかったけれど、耳だけで情報を得る体験は面白かった」という感想が聞かれた。落合さんは「子どもたちは何でも楽しむ気持ちがあるので、『怖い』が『楽しい』に変わるのも早い。今回のような経験を通してそれを知ってくれたら」と話していた。
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