発達障害児を支援する「地域療育センター」の利用申込から初診までの待機期間が長期化していることを受けて、横浜市は9月の市会で今後の方向性を明らかにした。利用の流れを見直して待機期間を短縮するとともに、初期支援を充実させていく考えだ。
療育センターは0歳から小学校期の発達や知的障害児、肢体不自由児、または疑いのある児童が対象。市内8カ所に設けられているほか、市総合リハビリテーションセンターが同じ機能を担う。
利用には医師の診断(初診)が必要だが、発達障害は希望者の増加によって待機期間が長期化している。2021年度に発達障害と診断された件数(0歳〜5歳)は2380件で、12年度から約670件増加。21年度の待機期間は4・8カ月だった。
市会で報告された方向性は、発達障害児・者の施策に関する市障害者施策推進協議会の答申などを受けてまとめられた。各センターの運営法人が様々な取り組みを行うなか、市全体の方針を打ち出したもので、初診までの流れや支援体制を見直す。現段階の計画ではソーシャルワーカーを増員して、利用申込から原則2週間以内に初回面接を行い、子どもや保護者の状況を確認する。
初期支援も充実させる方針で、保護者が専門職から遊び方や関わり方のサポートを受けられ、相談もできる「ひろば事業」を行う。療育講座や心理職などによる相談・面接も盛り込まれており、障害児福祉保健課の職員は「保護者の不安や悩みを受け止められる体制を整えたい」と話す。
専門職の確保へ
市は今後、専門職の人材確保や育成、相談場所の増設を進める予定。中期4カ年計画(22年度〜25年度)などに基づき方針を具体化させていく。
同協議会の発達障害検討委員会委員長で横浜国立大学の渡部匡隆教授は、今の課題に対応するには全体の枠組み変更が必要だとして、方向性の早期実現を望む。一方、希望者が増加傾向にあることから「将来的に長く需要に対応できるか注視したい」と話す。
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