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連載16 ちょっと役立つ 口腔と歯の話 テーマ「歯根嚢胞(のうほう)」
前回はあごにできる「嚢胞」(身体の中に生じた病的な袋状のもの)についてお話しました。今回はもう少し深く掘り下げ、歯にできる「歯根嚢胞」についてのお話しです。
むし歯が進行し歯の神経まで到達することで歯は痛くなります。それでも我慢して放置していると、だんだんと歯の神経が腐っていきます。むし歯は細菌感染なので、細菌が神経まで到達し腐らせることで歯の根の先に膿の袋ができ、歯根嚢胞となります。
歯根嚢胞はレントゲンやCTで根の先に類円形に黒く写ることが多いため診断は比較的容易です。顎にできる病気の頻度としては高頻度で、嚢胞の中では歯根嚢胞が50%以上を占めるといわれています。一般的には無症状で発育はゆっくりですが、ひとたび悪さをするとズキズキ痛んだり、腫れたりします。
むし歯が原因となるので、予防には日々の口腔ケアと検診が重要です。また、嚢胞ができた際には、根管治療(歯の神経の治療)や嚢胞の摘出の他、最悪の場合は抜歯を要することもあります。
こうした状況を作らないためには「嚢胞を作らない」「もしできてしまってもすぐ見つける」ことが大切です。様子を見ることも多い歯根嚢胞ですが、大きさの変化などがないかレントゲンやCTなどで撮影し、定期的に歯科医院で検診しましょう。お困りごとがある際はかかりつけの口腔外科にご相談ください。
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