能登半島地震を受け、横浜市薬剤師会が能登町に約1カ月間支援に入った。主な役割は地元の医院や薬局が再開するまでの「つなぎ役」。横浜市、横浜薬科大と共同運用する災害時対策医薬品供給車両(モバイルファーマシー/MP)が初めて災害出動した今回の事案。旭区在住で薬科大教授の金田光正さんに、現地の様子や横浜での災害対策について話を聞いた。
第6陣として1月30日から2月4日まで現地に入った金田さんは、MPでの活動に加え、CO2モニターを使った環境検査に携わった。真冬の北陸。寒さから避難所内の換気は徹底しておらず、「クラスターが発生する可能性の高い避難所もあった」という。金田さんらの検査後、すぐに一日に複数回の換気を組み込む避難所もあり、その意義は大きかった。
若い力に勇気
金田さんはダイヤモンドプリンセス号の支援にも携わるなど経験豊富。今回の地震による支援を踏まえ、横浜で同様の災害が起こった場合の対策として「インフラや物流のことを考えると、常用薬を1〜2日分多めに出してもらったり、市販薬を常備するなどは、すぐにできる対策。また『自宅避難者』が多くなると予想されるので、食料や水などは1週間分の備えを」とアドバイスした。
一方で、復興を目指す力も認識。災害対策本部となった能登町役場に掲げられた能登高書道部が大書した支援に対する感謝と「復興再生」の文字=写真右。「逆に勇気づけられた」と金田さんは目頭を熱くした。
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