「戦争体験を語り継ぐ若葉の会」の2代目会長を務める 海老澤 裕介さん 旭区若葉台在住 82歳
聞くだけでなく、考えて
○…旭区若葉台を中心に、地域の学校や施設でメンバーが自身の体験談を話す「戦争体験を語り継ぐ若葉の会」。80代から90代後半まで8人が所属する同会の中でも1番の若手。講演で話をする講師の選出や、財政や予算、運営方針の決定など年上のメンバーと協力しながら取り組む。「子どもやその親世代、地域の人たちに『戦争はいけないこと』だと、訴えていきたい」と意気込む。
○…鎌倉市大船出身。物心ついた頃には太平洋戦争末期で、自宅の近所にあった倉庫が全焼したことが最初の記憶。3歳で終戦を迎えたが、当時は食べ物はなく、ひもじい思いをしながら日々過ごした。大学卒業後は、桜木町の会社で事務として働く。定年退職後は、地域の老人会に所属していたが、同会の前事務局長に活動を手伝わないかと誘われた。「自身の体験を話すことはなかったので、当初は手伝いだけでした」。携わるうちに、自身の体験も若い人たちに聞いてもらおうと語るようになった。
○…3人の子どもがおり、今は妻と2人暮らし。同会以外にも、地域の歴史を保存する「若葉台郷土歴史資料室」や朗読会にも所属する。本好きで、「近所の古本屋に行くことが習慣です」。日々品揃えが変わる書籍を眺めながら、時代の移り変わりを感じる。
○…昨年度は若葉台小学校で初となる講演を実施。8月に開いた戦争について考えるイベントには、高校生から大人まで34人が参加してくれたと喜ぶ。しかし、「良い話を聞いただけで終わってほしくない」とも考える。個人が気軽に意見を発信できる時代で、自身の考えを持つことは大切。「戦争を防ぐためには何ができるのか。それは、次の世代が自らの意思で決めていかないといけない」
|
<PR>
|
|
|
|
|
|
|
<PR>