瀬谷の生き物だより【98】 文・写真 今野紀昭(瀬谷環境ネット)
オシドリはよく知られた鳥であるが、その生態は意外に知られていない。オシドリの番(つがい)の寄り添う姿は、鴛鴦(えんおう)の契りの故事より夫婦仲良い象徴の様に云われ、その番は一生を添い遂げると思われているが、実は毎年パートナーを変えているのである。
オシドリはカモ科オシドリ属の鳥で、その美しい羽は繁殖羽(生殖羽)と呼ばれ繁殖を終えた夏季はエクリプスと呼ばれ、オスはメスに似た地味な羽衣に変わる。月が欠けて行く様子をエクリプスと呼ぶがカモ類の非繁殖に羽が変わる様子もこの言葉が使われている。
カモ類は水辺、草地で繁殖すると思われているが、オシドリは森の中、喬木の樹胴に7〜12個の卵を産む。巣立ちの時雛は高い樹から地面に向かって次々に飛び降り、ゴム毬の様に2、3度バウンドしてから、一斉に水辺に向かう姿は何ともユーモラスである。
冬鳥として平地に飛来するが、警戒心の非常に強い鳥で横浜市内ではゴルフ場内の奥池など数少ない場所で日中過ごし、瀬谷市民の森でもゴルフ場から舞出た姿を見る事がある。
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