瀬谷の生き物だより【99】 文 今野紀昭(瀬谷環境ネット)写真 中村多加夫
立春を過ぎ陽射しが随分とのび、春を知るヒバリも瀬谷の野原に戻って来た。ヒバリの様に寒い冬は国内の暖かい地で過ごし、季節と共に国内を移動する鳥を漂鳥と云う。
ヒバリはスズメより少し大きく、全身が茶褐色の地味な色合いであるが、頭頂には冠羽があり、近くでみると優しい顔をしている。
地上で採食し主に種子類を食するが、繁殖期には蛾や蝶等の柔らかい幼虫類を餌に子育てをする。ヒバリは古くから人々の生活と一緒にあり「昼飯を食べに下りたる雲雀かな 一茶」とも詠まれている。「雲雀」と書くのは彼らが雲にかくれるほど高くのぼるからだそうで、事実、200m位上がるものもいる。囀(さえず)りの名手で民話には「ヒバリがお日さまにお金を貸したというのがあり、空に上がる時には、”ヒイチブ(日一分)ヒイチブ”と鳴き、降りる時は”ツキニシュ(月二朱)ツキニシュ”と利息を請求する」と聞きなしているが、さて皆さんにはどう聞こえるだろうか。早春の原に足をのばしてみては如何。
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