瀬谷の生き物だより【101】 文・写真 中村多加夫(瀬谷環境ネット)
この季節、散歩中に日当たりの良い生け垣を覗くとネコハエトリを見つける事がある。このクモは捕獲用の網を張らずサザンカやマサキ等を移動しながら獲物を狩るハエトリグモの仲間である。
ネコハエトリの成虫は、腹部以外は全体が黒く前足が長く(広げると15〜20mm)剣のように振り上げ相手を威嚇する。このクモをホンチと呼んだ。幼虫はババと呼ばれ春に脱皮しホンチになるが、メスは腹部が大きくこれが脱皮したものを特に夏ババと呼んだ。
当時(昭和30年代)、近所の駄菓子屋でこのクモを飼育するたばこ箱くらいのホンチ箱を売っていて、6匹飼育できるように区切られていた。
ホンチには色々な呼び名が有り、笹にいるホンチをササボン、薔薇にいるホンチをバラボンと言いバラボンが一番強いとされ、そのほか腹の部分が金色のキンケツがいて高級なホンチとされた。
このクモを見ると、子供のころ学校に持って行って休み時間に戦わせて遊んだことを思い出す。
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