瀬谷の生き物だより【103】 文:宮島行壽(瀬谷環境ネット) 写真:中村多加夫(同上)
ナマズは大きな口を持ち、その周りに成魚は4本、幼魚は6本のひげを持つ。目は体の割にとても小さく、体全体が緩やかな曲線で囲まれている。特に幼魚はオタマジャクシのように可愛らしい。
在来魚としては数少ない大型の肉食魚である。成魚は大きな体をくねらせてゆったりと泳ぎ、貪欲な食性。昼間は土管や石積みの隙間などでじっとしていて、夜になると活発に活動する。飼育水槽で、夜光を当てると慌てて隠れ処へ戻っていく様子が見られる。
中世以降は地震と関連付けられ、浮世絵を始めとする絵画の題材にされるなど、人間と関わりを深めてきた。
和泉川生物調べで初めて捕獲されたのは昨年5月で、体長17cm。飼育されていたものが川に捨てられたと考えられたが、その後30cmを越す成魚も観られ、3cm、10cm、20cm台が捕獲された。このことから、川で繁殖していることが確実になった。
川の食物連鎖の頂点にあるナマズの生息は、川の生物層の厚さが増した証拠になる。餌となりうるスジエビ等が増えたことや、川幅いっぱいにヨシが茂りそこに深みが出来たことも繁殖が可能になった理由かもしれない。
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