横浜市は11日、全国的に増え続ける空き家・空き室対策として、セーフティネット住宅に登録した賃貸住宅オーナーに対する家賃補助などの取組みを新たに始めた。
横浜市によると、市内の空き家・空き室は2013年現在で約17万8千戸(全体住宅総数の約1割)。03年の約14万9千戸から約2割増加しており、今後も増え続けることが推計されている。
昨年10月に「住宅セーフティネット法」が改正され、民間賃貸住宅のオーナーが低額所得者や高齢者などの住宅確保困難者の入居を受け入れる(拒まない)「セーフティネット住宅」として都道府県や政令市などに登録する制度が創設された。横浜市も同賃貸住宅の登録制度を開始していた。
この制度は、物件が登録されると、専用の住宅情報提供システムで広く周知されるメリットがある。しかし、「家賃滞納の恐れ」や「入居後の孤立死が心配」などの理由で全国的に登録数は伸び悩んでいるのが現状。市でもわずか4戸に留まっている。
このため市は、オーナーに対して家賃などを補助する新たな取組みを今月11日から開始。床面積が25平方メートル以上であることや新耐震基準を満たすことなどを条件とした「家賃補助付きセーフティネット住宅」130戸の応募を受け付けている。補助内容は▽本来の家賃と入居者負担額の差額(最大4万円/月)を原則10年間補助▽家賃債務保証料(初回)について最大6万円補助――。入居対象者は、所得が月額15万8千円以下で住宅扶助等を受給していない人となる。
10月には市、不動産関係団体、福祉団体が連携する「横浜市居住支援協議会」を設立する予定。同協議会では、入居希望者や賃貸人などからの相談窓口を設置するほか、入居から退去までの支援など様々な取組みを行っていく予定だ。
市建築局の担当者は「空き家対策に有効な手段となれば。家賃補助付住宅供給目標は4年間で700戸」と話している。
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