瀬谷の生き物だより【120】 アカハラ文:今野紀昭(瀬谷環境ネット)写真:中村多加夫(同上)
秋も深まると餌の少なくなる山地から平地に下りて来る鳥達がいる。夏の高原で朝早くから澄んだ大きな声で「キョロンキョロンツリィー」と囀(さえず)っていたアカハラ(赤腹)もその1種である。
ヒタキ科ツグミ属の1種で全長24cmとツグミと同大。その名の通り腹が赤く、体上面はオリーブ褐色、顔から胸はやや黒みを帯びる。平地に下りて来たときは小さな群れも見られるが、その後それぞれの縄張りに移り単独で一冬を過ごすようになる。
春夏は昆虫やミミズ類を好んで食するが、秋はムクノキやミズキの実、公園のピラカンサや屋敷林の柿の実を食する姿が時に見られる。冬に入るとその姿を目にすることが難しくなるが、公園の茂みや明るい林縁から突然「キョッキョッキョッ」と忙しなく鳴く声が聞こえたら、それはアカハラ(またはシロハラ)とみて良いだろう。探してみよう。
「赤勝て、白勝て」は運動会だが、同じツグミ属のシロハラ(白腹)が秋冬には同様の環境に生息する。次回はそのシロハラを紹介の予定。
|
|
|
|
|
|