瀬谷の生き物だより【124】 ビンズイ文:今野紀昭(瀬谷環境ネット)写真:中村多加夫(同)
瀬谷市民の森を散歩していると、林の中から飛び立つ数羽の鳥を目にすることがある。ビンズイである。地面で採餌している姿に気が付かず、飛び出したときに発する「ヅッィー ヅッィー」と鳴く声であっ!ビンズイがいたのだと知れる。
夏は亜高山帯に生息・繁殖し冬になると温暖な平地に下りてくる。このように春夏と秋冬に生息場所を移動する鳥を漂鳥という。スズメ目セキレイ科の鳥で、松、杉の樹上、横枝の上で尾羽を上下に振る姿や動作は、水辺に生息するセキレイ科の鳥の特徴と一にする。全長16cmで、背上面は緑褐色で細い黒褐色の縦斑。体下面は白く、明瞭な黒褐色の縦斑がある。夏は昆虫類を主食とし、秋冬は植物質のものを多く採る。
初夏の高原で、針葉樹の梢にとまったビンズイが雲雀の様に美しく複雑に囀ることから、別名キヒバリ(木雲雀)とも呼ばれる。ビンズイと同属で酷似するタヒバリ(田雲雀)も和泉川の水辺などで観られるがこちらは別の機会に紹介したい。
瀬谷市民の森から下流の和泉川へと冬鳥の旅立ち前の姿を探るのはどうだろう。
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