瀬谷の生き物だより【126】 ツミ文:今野紀昭(瀬谷環境ネット)写真:中村多加夫(同)
猛禽類であるタカが市街地の公園で繁殖をしていると知れたら驚かれるであろう。以前は見ることも難しく幻の鳥といわれたツミが、2000年代に入ると夏鳥または留鳥として全国の平地から山地の林や市街地の林などで繁殖するようになった。
春先に公園で特徴のある「キィーキッキッキッ」と尻下がりに鳴く声を聞いたら近くの大きな木を探してみよう。ツミの体上面は暗青灰色、雌の体下面は白い腹に黒褐色の横斑。雄は橙色で凛とした姿をしている。運がよければ今は巣作り・抱卵の姿が見られるかも。雌の大きさは約30cmとハト大で、雄は26cm程と一回り小さい。ワシタカ類の雄が雌より小さいのは雄により多くの獲物を捕らえる敏捷性が求められるからである。餌は主に小鳥や昆虫類で、巣立ち後の公園ではセミを捕食している場面も見られる。
面白い事にオナガがツミの巣の周囲で繁殖することが知られている。ツミは繁殖する半径50m以内に侵入するカラスなどの捕食者に対し、卵・雛を守る防衛行動を行う事からだが、さて皆さんの所ではどうだろう。
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