瀬谷の生き物だより【127】 ニイニイゼミ文・写真:中村多加夫(瀬谷環境ネット)
ニイニイゼミは他のセミと同じカメムシの仲間だ。枯れ木に産卵された卵から孵化した幼虫は幹を伝わって地面に降り、土の中に入る。木の根から樹液を吸って育ち、終齢幼虫になるまでに数年掛かる。7月のある日の夕方に地中から這い出して近くの木や塀に登り、50cm〜1mくらいの比較的低い場所で羽化し、翌朝には飛んで行く。
終齢幼虫は泥をまとい15mm程で、成虫になると翅(はね)を含めて35mm程になる。体はサクラやエノキ、ケヤキの樹皮にカモフラージュした模様をしている。鳴き声は「チイーイ↘」と音程が下がっていき、数秒して突然高くなり「↖イーイ↘」と再び下がってくる。これを数回繰り返す。音程は高く、木々に反射して方向が分かりにくい。
このセミは横浜では一番早く鳴き始め、6月の末から8月中旬ごろまで声を聴く事が出来る。ニイニイゼミが鳴きだすと、夏休みのラジオ体操の時に聞いた頃を思い出し、今でも浮き浮きした気分になる。
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