ヒグラシとセミヤドリガ 瀬谷の生き物だより128 文・写真:中村多加夫(瀬谷環境ネット)
ヒグラシ(日暮)は名前のごとく、朝夕の暗い時間帯や、昼間でも辺りが暗くなると一斉に鳴きだす。カナカナカナー、カナカナカナーと複数の鳴き声が同期して響きだす。近くで鳴いていても見つける事が難しい。
他のセミと同じく、幼虫時代は土中で生活し、植物の根から養分を吸収して数年かけて育ち、8月の夕方、地中から這い出して近くの木や草に登り夜の間に羽化して翌日には飛び出して行く。大きさはツクツクボウシよりやや大きく、翅(はね)を含めて45mm程。体色は赤褐色で背面には黒と緑の筋があり、翅は透明の網目模様で、樹肌に溶け込む色彩をしている。雄の腹は雌より太く長く、中は空洞。光が透けるほどで、音を響かせている。
樹林や市民の森を散歩していると、時々、腹に白い小豆大の塊を付けて重たそうに飛ぶヒグラシを見かける事がある。これはセミヤドリガという蛾の幼虫で、中には複数の幼虫が寄生していることがある。セミヤドリガの生態については良く分かっていないようで、興味のある方調べてみては如何。
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