瀬谷区中央にある一般社団法人にじの家では、医療的ケア児・者などの母親たちが吸引チューブや注入器などの診療材料の納品準備や区内外のクリニックへの配達を担う。子どもの容体がいつ変化するか分からず、働くことが難しい母親たちの就労の場で、情報交換や交流をする場所としても機能している。
医療的ケア児・者は心身の機能に障害があり、呼吸や栄養摂取などの際に医療機器やケアを必要とする人たちのこと。医療的ケア児・者の訪問診療を行うせや在宅クリニックの院長で同法人設立発起人の大村在幸さんによると、親は子どもの体調によっては、つきっきりで看病することもあり定期的に働くことが難しいという。また、訪問診療では吸引チューブなどを定期的に提供するため、診療所では準備や管理が大変ということもあり、診療材料の納品準備などを担う同法人を2018年に設立。同クリニックの患者の母親約10人がパートで働いている。
業務内容は各クリニックの注文から発注書を作成し、それをもとに診療材料の納品準備を進める。現在は新型コロナ感染症拡大防止のため中止となっているが週2回は情報交換や交流を深めるランチ会を開いている。
いきいきと働けるように
大村さんは「診療材料は約500種類あるため、普段から身近に使っているお母様方にお願いしている」とし、同じ境遇のお母様方の交流をはじめ、やりがいを見つけながら、いきいきと働ける場を提供できれば」と思いを語る。
ここで働く樫村正子さんは「同じ境遇だからこそ、お互いが思いやりをもって働くことができる」と話す。久保田和子さんは「また働けるとは思わなかったし、子どものこと以外で自分にもできることがあるとは思わなかった」と振り返る。「診療材料があれば助かる人がいる。その助けに少しでもなれたら嬉しい」と語った。
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