県内の農林水産物や加工品が選ばれる「かながわブランド」にこのほど、「横浜瀬谷うど」が登録された。旧上瀬谷通信施設の地下室(むろ)でうどを育てることが出来なくなり、安定した品質と生産体制の構築を目指してきた農家らの取り組みが実を結んだ。
かながわブランドは、県や農業協同組合などで構成される振興協議会による登録制度。県内生産品の優位性を保つため、生産・出荷基準を守り、一定の品質を確保している野菜や果実、花き・畜産品・加工品などが選ばれる。現在の登録数は、3月に仲間入りした「横浜瀬谷うど」など含めて70品目123品。
歴史ある名産品
横浜瀬谷うど出荷組合(青木和昭組合長)が手がける横浜瀬谷うど。皮が柔らかく、香りの高さやシャキシャキとした食感が特徴だ。苦みやくせが少ないため生でも食べることができ、また、酢みそやごま和え、豚肉巻き、てんぷらなど様々な料理に使える。おおむね2月下旬から5月上旬がシーズンで、その日の収穫量にもよるが、海軍道路沿いにあるJA横浜の「ハマッ子」直売所瀬谷店(本郷2の32の10)などで購入できる。
瀬谷のうどは、旧上瀬谷通信施設の地下にある室で半世紀にわたり作られてきた名産品。光量が少なく温度や湿度も安定していた地下栽培ならではの透き通るような白さや食感が人気だったが、基地返還に伴い17年6月に室が使えなくなった。
生産者らは瀬谷のうどを存続させるため、地下室と同じ環境を再現する方法を模索してきた。手法は生産者によって異なる部分があるが、ビニールハウスの中に遮光資材で覆ったトンネルを作ったり、深さ30cmほどの地中に伏せたりと様々な工夫を凝らす。「地上は気候や天気の影響を直接受けるので苦労も多い」と青木組合長。温度や湿度をできるだけ一定に保つよう余念が無い。
ブランド登録を受けて「今以上に安定して栽培できる体制を整えていきたい」と抱負を話した。
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