キアシドクガ 文・写真:中村多加夫(瀬谷環境ネット) 瀬谷の生き物だより136
この時期、瀬谷市民の森では木々の間を白い蝶が乱舞する姿が見られる。昼間飛んでいるので蝶のように見えるが、実は蛾である。翅を広げると5cm程で翅も体も白く、足の先端が黄色い事からキアシドクガと名付けられている。
ドクガ科に分類されているが成虫も幼虫の体にも毒は無い。幼虫は終齢で4cm程になりミズキやクマノミズキの葉を食害する。瀬谷では数年前から幼虫の発生がみられ、昨年は大量に発生した。
成虫は口吻(こうふん)が退化しており、6月に蛹から羽化すると数日の間に交尾してミズキの幹に産卵、卵はそのまま越冬し4月にミズキの芽生えと合わせて孵化する。年1回の発生である。
今年4月、瀬谷市民の森では毛虫が大発生し、森を散歩していると帽子や衣服に付いてくる。上を見ると丸坊主になったミズキから糸でぶら下がった毛虫が風に吹かれて落ちてくる。毛虫の正体はキアシドクガの幼虫で、下草や道路に落ちて、鳥の餌になっているようだ。今年は、キアシドクガの乱舞する姿がみられるでしょうか。
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