サトセナガアナバチ 文・写真:中村多加夫(瀬谷環境ネット) 瀬谷の生き物だより138
皆さんは、熱帯地域にエメラルドゴキブリバチという、宝石の様に青緑色で金属光沢の美しい蜂がいるのをご存じだろうか。綺麗な体に似合わずゴキブリの幼虫を捕える狩り蜂である。
日本にもそっくりなサトセナガアナバチ(里背長穴蜂)がいる。セナガアナバチ科の蜂で本州以南に分布しており、名前の由来は背胸部が長い穴蜂で里に生息する事から命名された由。体長は雄が14mm、雌が18mm程で、エメラルドゴキブリバチと同様に綺麗な蜂である。
狩り蜂のほとんどは毒針で獲物を仮死状態にして蜂自身の力で運ぶが、この蜂は毒液をゴキブリに注入し、触角を咥えてゴキブリを操り、巣穴に連れ込んで卵を産み付ける。この蜂に引かれて壁や木の幹を移動中に、蜂がゴキブリから離れてもゴキブリは逃げようとせずその場にとどまる。蜂がもどって来て触角を引くと再び歩き出す。このことから蜂に操られながらも、ゴキブリは自らの足で歩いていることが分かる。
この時期、サトセナガアナバチは長屋門公園の庭で見られている。
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