元プロボクサーでアスリート支援に取り組んでいる 八重樫 東(あきら)さん 瀬谷区在住 38歳
自分の武器で社会貢献
○…世界3階級制覇を成し遂げた元ボクシング世界チャンピオン。昨年9月1日に引退し、15年の選手生活に幕を引いた。その後はアスリートの育成や指導、マネジメント、軽貨物運送業を行う(株)P&M LAB.を設立。クラウドファンディングも立ち上げ、同社の代表として選手のサポートを進めている。「自分の経験や知識を生かして、スポーツに限らず夢を追いかける人やアスリートの背中を押したい」と語る。
○…22歳でプロデビューし、35戦28勝した現役時代は「一戦一戦を一生懸命闘ってきたので、どれも思い出深い」と思い返す。また、東日本大震災の復興支援として、瀬谷区民有志らが企画した定置網漁船の寄贈などに協力し、イベントなど活動を共にしてきた。「多くの区民の皆様に出会い、支えられてここまできた。だから次は自分の番なんです」
○…岩手県出身。高校時代に友達に誘われてボクシング部に入部。3年生で出場したインターハイで優勝したことを機にプロの道を選んだ。子ども時代は内向的な性格だったというが、「成功体験がほとんどがなかったからこそ、高校3年間とインターハイ優勝はその後の人生に大きく影響した」と振り返る。工業高校で周囲が就職や進学をする中、クラスで唯一アスリートの道を選び、歩み続けてきた。
○…現役引退後の人生を「ネクストステージ」と題す。アスリート時代の延長線上として次の人生を歩んでいくとし、「せっかく積み上げてきたものをゼロにするのはもったいないから」と想いを込める。「命を懸けて得てきたものを自分だけの武器として社会に貢献できることを伝えたい」――。新たな目標を背負い、次の舞台で闘い続ける。
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