アリスイ文::今野紀昭(瀬谷環境ネット)写真:中村多加夫(同) 瀬谷の生き物だより 145
アリスイは、初めて見た時つぶらな瞳に可愛いと言う人と、姿が気持ち悪いという人に分かれるとても興味深い鳥である。英名のWryneckは曲がった首を意味し、奇妙に首を捻る姿は恐竜を思わせ、不吉の象徴とも言われる。
キツツキ科の鳥でありながら幹に垂直に止まる事はなく、一般の鳥の様に枝に横向きに止まる。体長は18cm、全身灰褐色で、小さな波型の模様が多数見られ、頭頂から背に1本の黒線が走る。
平地から低山の牧草地、開けた林、芦原などに生息し、自身では巣を作らず、樹洞や他のキツツキの古巣を利用し、6〜10個の卵を産む。
アリスイ(蟻吸)はその名の通り、体の大きさに対し最も長い舌を持ち、その長い舌で蟻を絡め取るように捕食する。
夏は東北地方北部や北海道の地で、それ以南の地では秋冬に、蟻の活動に合わせる様に移動し、活動しているが数は多くない。
繁殖期「キィーキィキィキィ」とかん高く澄んだ声は"秋のモズの高鳴き"の様に、北国では春を告げる声でもある。さて恐竜の様に見えるか、可愛い瞳に会えるか、早春の林に出てみよう。
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