旧上瀬谷通信施設(瀬谷区、旭区)で計画されている「観光・賑わい地区」の事業予定者にこのほど、三菱地所(株)(東京都)が決定した。日本ならではのコンテンツやテクノロジーを活用した大型テーマパークなどが整備され、2031年頃にオープンする計画。開業時の総来街者数は年間1200万人を見込み、将来的に1500万人を目指すという。
開業は31年頃の見通し
同社の提案概要によると、同地区を「KAMISEYA PARK」(仮称)と銘打ち、次世代型テーマパークを核とした街づくりが展開される。敷地面積は約70ヘクタールで、「テーマパーク」(約51ヘクタール)、「駅前」(7ヘクタール)、「公園隣接」(約6・5ヘクタール)、「環4西」(5・7ヘクタール)の4ゾーンに分けて整備される計画。
テーマパークは日本独自のコンテンツとテクノロジーを活用。「最先端のエンターテインメントが集まる」「子どもから大人まで楽しめる」「スリルあふれる」など複数エリアによって構成され、世代を問わず多くの人が没入できる世界観を創りあげるという。また、DX(デジタルトランスフォーメーション)技術を用いて、リアルとバーチャルを融合させた体験を提供する計画だ。
駅前ゾーンにはテーマパークのグッズショップ、コンビニやドラッグストアを誘致。カフェやレストランを集めた商業施設も設けるという。
跡地南東部で計画中の公園と隣接するゾーンには、自然がコンセプトの商業施設が導入される。環状4号線(海軍道路)の西側のゾーンは広域からのアクセスの受け皿として、バスターミナルなどが整備される予定。
年間1200〜1500万人という来街者を受け入れるにあたり、4500台ほどの駐車場が設けられる。また、横浜市では引き続き、新たな交通の導入や新駅設置を検討していくとしている。
地域、期待と不安も
15年に米軍から返還された旧上瀬谷通信施設。約240ヘクタールの跡地では「観光・賑わい」のほか、「農業振興」「物流」「公園・防災」の4地区に分けた街づくりが計画されている。27年には跡地で、参加者数1500万人という国際園芸博覧会も開かれる。
市は観光・賑わい地区について、テーマパークを核とした複合的な集客施設の誘致を目指し、今年2月から7月にかけて事業予定者を公募。同社から提案があり、市旧上瀬谷通信施設地区活用事業審査委員会による審査と答申、跡地の地権者組織との調整を経て、事業予定者が決まった。今後は今年度中に基本協定を締結し、28年頃に工事着手する予定。
テーマパークの事業者決定について近隣の自治会町内会の会長は「賑わいが生まれることは嬉しいが、工事の影響や開業後の交通渋滞など不安もある。住民向けに適切に情報開示して欲しい」とコメント。瀬谷駅南口で飲食店を営む店主は「(開業により)駅周辺の人の流れがどのように変わるか注視したい。多くの人が来場することで、地域の店舗にも良い影響が出れば」と話していた。
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