外国人向けの茶道教室を開き、文化の発信に努める 勝部 暢之(のぶゆき)さん 瀬谷在住 80歳
茶道を通じて文化紹介を
○…外国人を中心に、伝統文化の茶道を知ってもらうため、初心者向けの教室を10月1日から開く。「いけ花や掛け軸など、多くの文化や芸術を取り込んで育まれた茶道ですが、敷居を高く感じる人も多いようです」と茶道文化の課題を見出し、誰でも気軽に体験できるよう、内容を分かりやすく、楽しめるように工夫する。
○…島根県松江市出身。大学進学を機に関東へ。卒業後は大型車の営業マンとして働いた。3人の子どものうち長女がアメリカの大学に留学。その卒業式に出席するため渡米した際、大企業が文化団体に寄付をしていたことに驚いた。「当時の日本ではチャリティー活動を目にする機会が少なかったんです。本当の豊かさとは社会に貢献することだとその時気づきました」と話し、ボランティアとして日本の文化を外国に紹介したいという想いを抱いた。
○…定年退職後、介護職を経て三溪園でボランティアガイドとして10年間活動した。外国人の案内も担当し、「文化交流のため、退職後から学んだ英語が役に立ちました」と笑顔。同園で働く内に茶道の魅力に惹かれ、「外国人に日本の文化を紹介するには、茶道を知ってもらうことが一番」と実感。知り合いの伝手で出会った故郷発祥の茶道の流派、不昧流(ふまいりゅう)の師匠に教えを乞う。その後5年間毎週欠かさず通いつめ、作法や技術などを学んだ。
○…「呼ばれれば海外にも教えに行きたいんだけど、その思いに身体がついていかないんです」と、まずは瀬谷を中心に茶道を普及させていこうと決意した。外国人生徒の募集には苦労したものの、2回目の教室には参加があった。「体験した人が茶道を家や自国で広めてくれたら」と期待を寄せる。
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