自身の医療体験をもとに、「いのちの授業」を子どもたちに実施する 小澤 竹俊さん 橋戸在勤 60歳
人が支え合える世の中へ
○…ホスピスの現場で学んできたことを伝える「いのちの授業」を2000年から続け、これまで600回以上講演してきた。「子どもたちに人と支え合う大切さを知ってもらい、人生を穏やかに過ごす方法を身につけて欲しい」と望む。
○…東京出身。高校の頃は「自分が幸せに思える仕事がしたい」と考えていた。青年海外協力隊などの仕事を視野に入れていたが、世の中で一番苦しんでいる人のために働きたいと考え、医師を志す。大学卒業後は救命救急センターや病院の内科・ホスピスで勤務。しかし、最善を尽くしても治療できない病人に対してどうすればよいか分からず苦悩。それでも、「逃げださず、苦しむ人を支えたい」と患者に向き合った。
○…病人を癒す方法を模索する中、理解してくれる家族や知人の存在、先に亡くなった人々と天国で会えると考えることを支えに、穏やかに生きる患者たちを見て、「苦しみを抱えていても、支えてくれる人や繋がりがあれば、心を癒せるのだ」と学ぶ。人と支え合い、目標をもって生きれば、困難に立ち向かえる。この思いを多くの人へ伝えようと決めた。
○…めぐみ在宅クリニック(橋戸)の院長を務める。講演や医療教育のため全国を飛び回るなか、13年から授業ができる人材育成にも取り組む。15年には有志とともに(一社)エンドオブライフ・ケア協会を立ち上げ、理事に就任した。「『置かれた場所で咲きなさい』という言葉がありますが、私はもっと取り組みを広げていきたいんです」と、これまでに200人以上の講師を育てた。誰かを助けようとする意識がより多くの人に根付けば、社会全体で支え合える世の中になると考え、今後も活動を続けていく。
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