福島第一原発事故を題材に、絵本の原画展を開催している 牟田 茂男さん 旭区善部町在住 73歳
作家として、語り部として
○…ギターを抱え、毎週通う行きつけのカフェでの思わぬ「個展」開催に、「背中を押してもらった」と満面の笑みで感謝を述べた。原発事故で切り捨てられていく自然に対する思いを、無我夢中で作品に仕上げてから13年。思いがけず陽の目を見た作品に「何か意味があるのかも」と新たに芽生えた語り部としての使命感が垣間見えた。
○…東京都の生まれ。中学時代に相模大野へ転居。希望ケ丘高校へ進学。旭区との接点が生まれた。高校では美術部に所属。哲学書なども読む読書家。文学や物書きの将来も考えたが、「浪人はダメ」「食いっぱぐれがない」という両親の勧めもあり、大学は機械科へ進学。卒業後、工作機械の会社に5年勤めたが、夢を諦めきれず、「妻も子どももいましたが」1年間日本シナリオ作家協会が主催するシナリオ講座に通い、脚本を中心に勉強した。アルバイトをしながら、脚本家の石川孝人氏に弟子入りもしたが、夢半ばで諦め、再び自動車関連の会社へ再就職。定年まで勤め上げた。講座の同期には今でも活躍する作家がいるという。
○…高校時代には美術部にも所属。脚本家を目指していたこともあり、当時の夢を形にしたのが絵本だった。「ビーボとスケル」は、思いに突き動かされて描いたが、初孫のためにも描いている。個展の開催で、若かりし頃の火がついたのか、現在は新作を構想中。テーマは変わらず自然と人間の共生で、次の主役は「ウナギのきょうだい」なのだとか。
○…読書の虫は今でも。図書館では家族の協力を得て1週間で20冊借りる。「精読ではないけれど」とはにかむが、1年間で365冊以上借りたことが2年あったという。哲学書や仏教関係、など幅広い。
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