瀬谷の柔道道場「善道館」の門下生で、柔道舞踊などの普及、指導に取り組む 諏訪 貴子さん 東京都在住
内に秘める芯の強さ
○…「強さへの憧れがあって」。幼少の頃からの夢だった武道。就職後に通信制の大学へ入りなおし、時間に余裕ができたことをきっかけに、太極拳や護身術などの武術の道へ入った。瀬谷の道場「善道館」の門下生になり、柔道初段を取得。武術を極めて求めるものは、打ち負かす強さではなく、芯のある強さ。「強さは内に秘めるもの。精神的にも肉体的にも自分を保てる強さを持ちたい」。力強い言葉も、知的にさらりと話す。
○…幼い頃からバレエや水泳を習い、学生時代はダンス部、その後もスポーツジムやスキーに出かけるなど、ずっと体を動かすことが好きだった。武道の魅力は”術”。「どう動いたら技が決まるかとか、瞬間で技が決まる凄さとか、術の仕組みやメカニズムが面白くて」。持ち前の運動神経と分析力を生かし、護身術やヨガなどの講師も務めてきた。「指導の度、教えることは学ぶことだと気付き、ありがたいなと思う」。学ぶ熱心さが自身を日々大きくする。
○…善道館で復興に取り組む、柔道の形をモチーフにした「柔道舞踊」の指導・普及にも携わる。「柔道を知らない人も柔道が大好きな人も、年齢も男女も関係なくできる。そこが私にも合っていると思った」。何とか普及させたいと、善道館に通う門下生らに舞踊を指導。「昔からあるものを継承していく大切さを知った」。日本の文化の継承者としても歩み続ける。
○…今月、オリジナルで考えた「護身道エクササイズ」の講座を善道館で開く。誰でも楽しく簡単にできるようにと工夫しながら、護身術を取り入れた動きを考え、音楽を選ぶ。「指導するには感覚も理論も大事だけど、一番は好きな気持ちや情熱、信念が伝わることだと思う」。大人になって武道を始めたからこそ、幅広い年代の人々に伝えられることがある。「ハートフルな部分を大切にしていきたい」。表情はクールだが、言葉には内に秘めた武道家の真の強さが滲んでいた。
|
|
|
|
|
|