手話通訳士の資格を持ち「地域安全功労賞」を受賞した 田川 孝詞さん 北新駐在所勤務 41歳
手話を生かし安心な町に
○…県警初の手話通訳士として聴覚障害者宅へ定期訪問したり、地域で手話サークルや講演会を開くなど地域に密着した活動が認められ、住民から高い信頼を得ている警察官に与えられる「地域安全功労賞」を受賞。「賞なんて馴染みがないからはじめはピンとこなかった。活躍したつもりはないけれど、仕事の進め方が間違ってなかったのかなとほっとしています」と穏やかな表情で語る。
○…聴覚障害を持つ親戚がいた影響で、幼い頃から手話に興味があった。駐在所勤務を始めた1999年夏、偶然、手話サークルの案内を見つけ、入門コースに通い始めた。そこでは障害を持つ人が健常者と共にいきいきと手を動かし会話していた。「やっと学べた手話が楽しくてハマっちゃいました」。そのままサークルに入会、学んでいくうちに「仕事にも生かしたい」と強く感じ、手話通訳士の資格取得を決意。2009年、見事一発で試験に合格した。「自分がどこまでできるか不安だった。試験は1回だけと決めていたので本当に嬉しかった」
○…通常、聴覚障害者が罪を犯した際は手話通訳士を本業とする人が間に立つ。しかし、深夜など急を要する場合には出動要請が入る。ある晩、相沢で追突事故が発生、追突された運転者の耳が聞こえないと無線が入り、すぐ現場に急行。当初その人は会話が分からないことで、相手側と警察に不信感を抱いていたが、手話を始め状況を説明すると次第に落ち着き、無事に事故処理ができたという。「耳の聞こえない人も安心して生活できるよう、手話をもっと広めたい」と、熱い想いを語った。
○…函館生まれで、現在は北新駐在所に妻と娘2人との4人暮らし。休日は家族と買い物に出掛ける以外はほぼ家でのんびり過ごす。「瀬谷は住み易くて良いところ。この地を出たいと思ったことはないです」と大好きな町を守るため、今日も早朝から巡回する。
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