ギャンブル依存に悩む人の支援施設として認定NPO法人「ワンデーポート」=相沢=が瀬谷に開設し、今年で15年。施設長の中村努さん=写真=は「当時と今では考え方が全く変わった」と話す。これまでの歩みを振り返った。
2000年4月、「ワンデーポート」は瀬谷区本郷にあるマンションの1室で開設した。29歳でやめるまで、パチンコ漬けで借金が膨らみ、ギャンブル依存に苦しんだ過去を持つ中村さん。自身の体験から、同じ苦しみを持つ者同士が共同で生活し、依存症からの脱却をめざす場を立ち上げた。
これまで同施設を利用した人は15年間で約500人に上る。中村さんは「開設当初はギャンブル依存は病気で、アルコールや薬物依存と同じものと考えていた」と振り返る。ほかの依存症対策で行われていた「ミーティング」を取り入れ、利用者が互いの経験を話すことで回復への糸口を見つけていこうとした。
個別支援へのシフト
03年、現在の場所へ移転。共同生活に馴染めない人や回復が見込めず退所する人もいる中、従来の考え方に疑問を感じ始めたのは04年頃。発達障害など、依存症以外の可能性も考えるようになった。「ギャンブル依存は結果。原因はさまざま」。一人ひとりと向き合い、「ミーティング」から個別支援に重きを置くようになっていった。
同施設は現在、約30人が利用。3人一部屋で共同生活を行い、日中は多くの人が仕事に出かける。暮らし、仕事、余暇のバランスを重視し皆でマラソンに参加することも。中村さんは「利用者との距離が近くなった」と笑顔を見せる。
開設から15年。同様の支援施設は全国に増えた。就労支援など、地域の人たちの協力が欠かせなかったと中村さん。「続く限りは瀬谷でやっていきたい」。試行錯誤を繰り返しながら、目の前の利用者に寄り添っていきたいとしている。
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